ナンパファイトクラブ

ナンパして己を知る

国民的アイドルは抱けても、そこの美女が抱けない(前編)

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国民的アイドルを抱いた。今から1年半ほど前の話。

 

 

正しく言うと、国民的アイドルグループのそこそこ人気な子を抱いた。

 

 

信じるか信じないかはお任せしたいのだが、まだまだ第一線で活躍していらっしゃる方なので特定されない程度に書いて行きたい。

 

 

ただ、先に言って置きたいのは、この話をするのは決して優越感に浸りたいからでは無い。

 

 

むしろ「僕がなぜナンパを始めたのか」という醜くて汚い原点を自分の為にしっかりと書き記す必要があると感じたからである。

 

 

だから読者の期待しているような話ではなく、むしろひどく内向きな話になるのだが、そこは勘弁していただきたい。

 

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アイドルとの出会いは、高校からの友人(女)の紹介だった。

 

 

 

もともと友人はアイドルの幼馴染。

 

 

 

友人に会うたびに「俺に紹介してくれ!頼む!」と冗談半分にせがんでいたのだが、「あの子恋愛禁止だから。それにファンに見られたらヤバイから」と毎回あしらわれていた。

 

 

 

 

ところがある日の夜、突然の友人からの電話。

 

 

 

 

 

「いまアイドルと2人で飲んでるからおいでよ」

「来ていいってよ?」

 

 

 

耳を疑った。

 

 

 

だが、どうやら本当に俺を呼んでいるらしい。

 

 

 

急いで身支度を整え、飲んでるという渋谷の韓国料理屋へ向かう。

 

 

 

 

同級生やサークルといった半径5M以内の女としか飲んでこなかった平凡な自分が、急に国民的アイドルとの飲み会である。

 

 

 

世の中、何があるかわからない。

 

 

 

 

 

緊張と興奮で思考が停止しそうであったが、せっかくのチャンスなので呼吸を整え平静を装う。

 

 

 

 

冷静に、冷静に、自分に言い聞かせ、個室の扉に手をかける。

 

 

 

 

部屋に入った瞬間、アイドルとすぐ目が合った。

 

 

 

 

 

しかし、それと同時に俺は気づいてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

あれ?

 

 

 

 

 

この子全然タイプじゃない。

 

 

 

たしかに目は大きいし、鼻も高い。美人といえば美人なのかもしれない。

 

 

 

ただ「ロリ顔」と言うのだろうか、おっさんとオタクどもが好きそうな甘ったるい顔をしてやがる。

 

 

 

圧倒的に俺のタイプじゃない。むしろダメな顔の系統。

 

 

 

 

一気に緊張が解けてしまった。

 

 

 

30分も経たずにサークルの女のようにイジりだし、チャミソル(韓国の焼酎)を煽った。

 

 

 

 

アイドルも久しぶりの休みだったのか、普段あまりイジられる事がないのか終始楽しそうに飲んでいた。

 

 

 

 

仕事やプライベートのことを聞いたが、どうやら恋愛禁止は本当らしい。

 

 

 

明確なルールはないものの、グループ内で暗黙の了解となっているとか。

 

 

 

 

あとはアイドルの給料が安いとか、グループのあの子は実は性格が悪いとかそんな話をしていた。

 

 

 

話せば話すほど、普通の女の子だなと思ったのを覚えている。

 

 

 

ちなみに出会った当時は、なんちゃら総選挙でまだ30位〜40位くらいだった気がする。一般的な知名度はそこまでなくて、オタクなら知ってるよくらい。

 

 

 

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なにはともあれ、2時間程度で飲み会は解散。

 

 

 

一緒に街中を歩かないため、お店でそのまま別れることに。

 

 

 

 

一人で渋谷駅まで歩き、帰りの電車に乗りこんだのだが、そこで事件は起きた。

 

 

 

 

さっき交換したばかりのラインに、まさかのアイドルからの着信。

 

 

 

 

 

「飲み足りなかったけど、もう電車乗っちゃった?」

 

 

 

 

耳を疑った。本日2度目。

 

 

 

 

ただ、さすがの俺でも、この言葉の意味は分かる。

 

 

 

サークルの女でもこんな露骨な誘い方はしてこない。

 

 

 

少し混乱はしたが、まだ電車に乗る前だったと伝え、アイドルと再び合流した。

 

(後編へ続く)